嵐のあとで ~After the Storm~

ライブ参戦の備忘録を中心に徒然と…。

2019.6.30(Sun)村越 弘明 TOUR 2019 “Awesome!”ツアーファイナル

【備忘録】
村越弘明 TOUR 2019 “Awesome!”
2019.6.30(Sun) in 下北沢GARDEN


ほんの一時間足らずの午睡の中で、
視界に広がるのは蒼く深い海の底。
これは、あの日の夢の続きだろうか。

シャバアーサナのような格好で、背面から脱力して海中に身体が揺蕩う。

海中なのに、肺呼吸は出来ている。
そして、何故か目は閉じたままだった。

瞼の裏側から光を感じるのは、浅い眠りだからなのか。
それとも、第二の瞼が開いているからなのか。
網膜には写し鏡のように、海中の景色がはっきりと写っていた。

青い蒼い碧い色。
ただゝ静謐で無音の波間。
時を忘れて心地よい浮遊感に浸る。

不意に我が身に近づいてくるのは、悠然と海遊する魚の気配。

それは、人の身丈程の細長いバラクーダのようで。
その姿を確認したくて、ゆっくりと手を伸ばした瞬間、蒼く深い海の中から目が覚めた。



あの日からもう一ヶ月も経過しているのに、記憶は相変わらず鮮明過ぎて。
言葉では語り尽くせないから、叶うならば電脳化(笑) したいくらいだ。

病欠で急遽欠席した地元ライブのリベンジ。
地元ライブの欠席になる旨お伝えした皆さんからは、沢山のお見舞いや励ましの言葉・優しいお気遣いを頂いた。感謝してもしきれない。

同時にその人のライブは、ツアータイトル通りと感嘆する多くの声に励まされる。そして、更なる進化が早く観たくて観たくて待ち焦がれた。

当日は生憎の雨だったけれど、昨年のJOY-POPS公演以降、御縁を頂いたお友達と合流。逸る気持ちを抑えながら、梅雨入りして間も無い湿気とそれを凌駕する程の熱気を帯びた階段を降りて行く。

楽器と機材が置かれたステージは、薄く靄がかかった青白いライティング。
スタンディングの観客エリアも、青みがかったライトに照らされていたからか、地下二階のライブハウスは、深海の底に辿り着いたような印象だった。

ほぼ定刻通りのスタート。
ツアーファイナル前の数公演で、少しハリーの喉の調子を心配するファンの声が挙がっていたが、オープニングからの圧倒的なヴォーカルに、多少の不安材料など瞬時に消滅する。

今年三月から始まったツアーは、一月のバースデーライブのバンドサウンドの好感触を引き連れてスタートした。
30年来の盟友・ジェームスさん&ズズさん、ツインギターでのツアーパートナーだったジミーさんを「バンドメンバー」として、ハリーとタッグを組んだFOUR PIECESスタイル。
一月のバースデーライブ以来、耳にしたバンドサウンドは、力強さが更に増していたように思えた。

それは、ツアーファイナルまでの各地公演の中で、更に深まっていった手応えそのもの。各地で参戦した者たちはみな、その都度彼らの進化の過程を目撃し、体感してきたに違いないと断言出来る。


唸りをあげて押し寄せてくるのは、
揺るぎない4つの音たち。 
それは誰にも止められやしないし、
逃れられやしない。

勿論、止める気も逃げる気も、さらさら無い。
この音たちに否応なしに身を任せ、浮遊する為に。
大きな声でその名前を呼び、両手を掲げて踊る為に。
自ら望んでこの波間に立っているのだから。


オープニングから、終盤に演奏しても遜色無いソロナンバーから4曲。そして、レゲエナンバー「King Bee Buzzin’ 」へと。
バースデーライブを踏襲しつつも、深みが加わった印象で、ソロナンバーとスライダーズナンバーの見事なまでのバランス感覚が秀逸。そして、バンドサウンドの凄味を目の当たりにしたセットリストだった。


個人的に圧倒されたのは前半中盤。

「PACE MAKER」から続く3曲の中で繰り出された碧くて深い心象風景だ。

「鬼かますに天狗風」では、ハリー一人に青みが強いピンスポットが終始当てられたステージに、紡がれる言葉たちと音色。
歌うその姿は勇壮で威風堂々、海遊するグレードバラクーダそのもの。

眩しい青の海の世界から水面に顔を出し、眼前に広がってきたのは静寂の夕景。
まろやかに海へと浸食するのは、光り輝くカーマインレッドとイエローゴールドの色。 深く呼吸するように耳に届いたのは、「落陽」 だった。

ハリーがこの曲を二十歳前後で創造していたことを知った時、私は愕然とし、呆然とした。
これ程の悲哀の感情と対比的な残光。
残光は、まるでPandoraの箱に最後に残ったものと同じ輝きを放つようで。
そんな想い出が記憶から引き出されたのと同時に、両眼からは思わず涙が溢れ出てしまった。


静けさから一転して、「China Doll」からの一気に深まるGroovyさと華やぎのサウンド
「パラダイス」では『奇跡が起こる所さ~』の箇所で、足元を指差しでこのステージだと嬉しいアピールも。
会場内が一体化する「Angel Duster」~「ありったけのコイン」。
本編ラストに向けて迫力の「RUN SILENT RUN DEEP」~「Respectable Performer」~「無頼白痴」~「On The Road Again 」。

どこを切り取っても、完膚なきまでの波動。
怒涛のロックンロールの応酬は終わらない。


『今日は熱いぜ、yeah!』
ハリーの熱い一言だけで、更にヒートアップする会場には、噂に聞いたハリーの透明ギターが登場!
ゆっくりと腰を落としながら、響くギターのリフは「Toa-Lit-Tone (踊ろよベイビー) 」だ。

瞠目し、声を挙げ、両手を掲げ、踊る為だけに。
「SLIDER」~「TOKYO JUNK」 。

ただそれだけの感覚器官になればいい。そう全身が叫び続ける。

オールラストは、「So Heavy 」。
一夜の約束を惜しむ私達へと、アンコールは二度用意されていたサプライズ。

ダブルアンコールが終わっても、客席エリアからの歓声と拍手は止むことを知らない。
まさにAwesome!
疾風怒濤、熱く激しい一夜だった。



終演後、サイン会に参加させて頂いた。

あれ程見事なステージ後なのに、疲労感もほとんど見せない姿。
そして、充実しきった穏やかで静かな表情のハリーだった。

ほんの僅かな時間と数十センチの距離感。

サインをされている俯き加減の頭上から、失礼かなと思いつつ、今日のライブで披露された曲についての感想と選曲してもらった事への感謝の意を伝えた。

すると、サインの最中俯きながら、まさかの質問返しの言葉が。

まさか質問返しされるとは想像すらしておらず、驚愕に固まりながらも、何とか答え返す。赤面する程の震える声と拙い言葉だったと思う。

すると、サインを終えて顔を上げながら、フッと笑って『ありがとう』と手を差し伸べてくれた。

(号泣寸止め必死でした.˚‧º·(ฅдฅ。)‧º·˚)


次の約束は何時なんて
気軽に答えてはくれなかったけれど、
その手の温もりと微笑みは
何より変え難い約束の証。
いまはそれだけで充分な幸福を味わった。


あの日の夢の続きが、
私の中にある心象風景そのものならば、
その風景にそっと名前を付けてみようか。

今はまだ朧気で、自らの言葉では紡げない。

だから、ハリーの曲のタイトルから拝借したいと思う。
~「Still Crazy」と… 。



■村越弘明 TOUR 2019 “Awesome!”
2019.6.30(Sun) in 下北沢GARDEN


【Set List】
三白眼の油売り
Still Crazy
狼煙
MAKE UP YOUR MIND
King Bee Buzzin’
one day
PACE MAKER
かますに天狗風
落陽
China Doll
無題
パラダイス
Angel Duster
ありったけのコイン
RUN SILENT RUN DEEP
Respectable Performer
無頼白痴
On The Road Again

[Enc.1]
Toa-Lit-Tone (踊ろよベイビー)
SLIDER
TOKYO JUNK

[Enc.2]
So Heavy




■追伸■
当日は撮影クルーと機材が入っておりました!
映像化の吉報とハリーさんの次なるスケジュールの告知、謹んでお待ち申し上げております!
公式さま、出来ましたら早目に何卒よろしくお願い致します_(_^_)_。

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♥Special Thanks! Yさん&Mさん♥