嵐のあとで ~After the Storm~

ライブ参戦の備忘録を中心に徒然と…。

JOY-POPS ヒューリックホール東京 ライブ(2018.7.22) ② The Live編

JOY-POPS (村越弘明+土屋公平)35th Anniversary Tour 
Wrecking Ball 2018.7.22(Sun)ヒューリックホール東京②


 ツアー単独フルサイズでのライブは、今日の東京追加公演が最後だという。 
けれど開演30分前から私の身体は、 緊張でひどく震えていた。前回の名古屋の時以上だ。
楽しみで仕方がない程、緊張感が増してしまう厄介な性分なのだ。2ヶ月振りの再会なのに…。

緊張が頂点になりかけた頃、 客電が落ち始め、SEがLou Reedに切り替わった。

静かに歩みを進めてステージに現れる二人が、大歓声を受けながら互いのギターを手にする。
ゆっくりとしたアイコンタクトと小さな頷き。
次の瞬間、ダウン・ストロークの動きから乾いた音がホールに鳴り響いた。

 一瞬で私の身体から緊張感は消え失せ、感覚器官すべてがフル起動しはじめる。
二人の音に引き寄せられる全神経。身体に染みついたビートとリズムが目覚めてくる。

たった二本のギターだけとは思えない厚みのある響き。
鳴り響くツインギターには、あまたの色彩が溢れていた。 
   
セピアから淡いグレーが混ざり合う、7th Ave. Rock、 安物ワイン、 Angel Duster。 
交差するのはソリッドで乾いた音なのに、どこか温もりがあるアコースティックのアンサンブル。
HARRYの伸びやかで深みのあるボーカルに、公平の包みこむようなコーラスが重なる心地良さ。

 イントロのリフだけですぐにわかるずっと聴きたかった EMPTY HEART。そして GET OUT OF MY MIND。静けさと危うさを含んでモノクロームに染まりながら、ステージは一度闇色に暗転した。

 やがて、二人がアコースティックギターからエレキギターに持ちかえる。
吹き荒れる嵐の予感。ロックンロールの嵐に巻き込まれるのは覚悟の上で、目と耳を研ぎ澄まして弾ける音の瞬間を期待してしまう。

 絡み合うエレキのツインギターから生まれるのは、血液が逆流する程グルーヴィで、泣きたくなる程ブルージィな唯一無二の音色たち。 

暗闇の黒から鮮烈な赤へ移ろぎ揺れる、カメレオン。
気だるげな憂いの色、 Feel So Down。 
清冽な青の色、かえりみちのBLUE。
薄明かりの月の色、FRIENDS。
交差する白い色、道。
目映い閃光にさらされる中で生まれる一瞬の静寂とハレーション、すれちがい 。 

そして、現在の二人でなければ描き出せない色がジョイントする。
HARRYのソロ曲を公平が奏でる Midnight Sun。
このツアーのためにお互いが新たに作ったと言うHARRY作曲、新しい風。
公平の作曲 ・ツインボーカルの3コードブルースナンバー、 デルタのスー。 

耳馴染みのナンバーすらもアレンジされ、エッジを効かせた二人の色に染め変えられる。
公平のためにHARRYが作ったと言う未収録ナンバー・sugar sugar 。
コール&レスポンスのジャングルビート・Yooo!
そして、極彩色で華やかなダンサブルナンバー・No More Trouble、Special Women、Back To Back 。

これは懐古のための音色なんかじゃない。
すべては18年間の互いの経験と成長を経て、 
更に進化し続けた二人から生み出される最新の色で彩られた音なのだ。 

そして、何度も何度も大歓声に答える二人がなによりも暖かい色。
腰のあたりで両手を広げ、サンキューと答えるHARRY。
力強く右腕を挙げて、歓声の方向を指し示す公平。
言葉に出来ることも、言葉に出来ないこともすべて伝えようとする私達に、 
惜しみない笑顔を向けて答えてくれる二人。

今日は泣かないと心に決めていたのに、目頭は熱くなるばかり。
だから、思い切り踊った。そうしていないと泣いてしまうと思ったから…。 

この時間が永遠に続いて欲しいけれど、一夜の約束とアンコールは一度限り。
鮮やかに駆け抜ける天国列車。
優しさに満ち溢れたありったけのコイン。

あらゆる色彩の音が、ひとつひとつの個性を持ちながら更に進化している。
それを生み出し続ける二人を全身全霊で体感しているなんて、最高すぎる。 
目を離すことなんて、最後まで誰にも出来やしないよ。

  ツインギターのアップ&ダウン・ストローク
  一曲ずつ演奏が終わる度、称えあうみたいに掌を互いに向ける二人。

  時折視線を合わせてかすかに微笑む。
  互いをストロークする二人。

  最後に、HARRYの右手が優しく公平の左手を携えて頭上に持ち挙がった。

  このステージを目の当たりに出来た幸運と、
 熱く濃密な時間を与えてくれた二人には感謝するしかない。 
 いつまでも鳴りやまない拍手と共に、二人の笑顔をずっと忘れないだろう……。


JOY-POPS (村越弘明+土屋公平)35th Anniversary Tour :Wrecking Ball 
2018.7.22(Sun)ヒューリックホール東京


◆セットリスト◆

7th Ave. Rock
安物ワイン
Angel Duster
EMPTY HEART
GET OUT OF MY MIND
カメレオン
Feel So Down
FRIENDS
かえりみちのBLUE
すれちがい
Midnight Sun(HARRY ソロ曲)
新しい風 (新曲)(HARRY作曲)
デルタのスー (新曲)(公平作曲 ・ツインボーカル
sugar sugar (公平ボーカル)
Yooo!
No More Trouble
Special Women
Back To Back

〈アンコール〉
天国列車 (公平ボーカル)
ありったけのコイン


■ライブ終了後、放心状態の私に出口で渡されのはこれ⬇️。

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二人から最高のタイミングでノックアウトされちゃった。
一夜限りの約束は終わったけれど、好きなタイミングで会える約束はまだ少し先。
嵐のあともまだ夢の中……。